フィリップ・ミル

若き世代の俊才として知られるフィリップ・ミルは、「ル・スクリーブ」、そして「ル・ムーリス」でヤニック・アレノの右腕として7年間を過ごしました。2008年には全国料理芸術コンクールで優勝、2009年にはボキューズ・ドール銅賞を受賞。リッツ、ラセール、プレ・カトラン、ドゥルアン、レ・クレイエールといった名門レストランで研鑽を積んできました。現在はランスの「アルバン」、日本でも「フィリップ・ミル東京」を率い、自らのエレガントなスタイルを体現する料理を展開しています。フィリップ・ミルと彼の作り上げたチームのスタイルは、古典のエッセンスを大切にしながらも華美に走らず、素材本来の明快で力強い味わいを引き出す――まさに料理界の指標となっています。

「私が大切にしている“オープンさ”と“優しさ”を、メゾン・ランソンはまさに体現しています。そのワインの確かな質と奥深い味わいは、常に私を刺激し、創造力をかき立ててくれます。」

2009年にシャンパーニュ地方に移って以来、フィリップ・ミルは生産者やメゾンと出会い、この複雑なワインの微妙なニュアンスを学んできました。「ノーブル・シャンパーニュ・ブリュット」や「ブラン・ド・ブラン2004」の味わいから着想を得て、彼はハイレベルなペアリングを創り上げています。

「私の歩みは、人との出会い、日々の努力、そして与えられた機会によって形づくられてきました。だからこそ、“分かち合い”は私にとって最も大切な価値のひとつなのです。お客様や生産者、さらには若い世代との交流も、私を日々豊かにしてくれます。」

フィリップ・ミル（シェフ・アンバサダー）

卓越の料理

フィリップ・ミルの料理への情熱は幼少期にさかのぼります。祖母と囲んだ台所での記憶が、その原点を育んだのです。やがて彼は日本を初めて訪れた際、その美しさと文化に触れ、大きな影響を受けました。ミルの料理は、伝統を大切にしつつ、旅や出会いのひらめきを取り入れることで、常に進化を遂げています。彼は常に、食材を引き立て、その魅力を高める実験を重ねています。

食材のなかでも、彼は意外性のある食材をあえて選び、その可能性を引き出すことに魅力を感じています。ビーツやナマコ、卵といった素材をあえて取り上げ、食べ手に新たな味覚の発見を与えることを楽しんでいます。ひとつひとつの食材を驚きに満ちた逸品へと変えることこそ、シェフの挑戦なのです。

フィリップ・ミルによる美食とのペアリング

「ノーブル・シャンパーニュ・ブリュット」の砂糖漬けの黄色い果実やビスキュイの香りが、鳩肉の旨みを包み込み、甘さと丸みを加えます。そのうまみが口中を目覚めさせ、香りに感じられた黄色いプラム（ミラベル）のニュアンスを呼び起こします。さらにビーツのボンボンがひと皿を彩り、この偉大なワインの贅沢さをいっそう際立たせています。

アーベイン